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終の棲家は決まったが、いつなのかは決まっていない。



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今の私ではない!
もうずっと以前のことだったが、彼は、「あと三ヶ月です」と、医師から末期の癌と宣告されたことがあった。
「手術も処置も手遅れだ」と言われたのだった。
余りにも突然のことだったので、彼は、どうしても信じられなかった。
数日経って、私は、彼からその話を聞いた。

もし…………たら。

そして二ヶ月経った頃だ。自宅で療養する老いた彼は、「死が迫っていると自ら思う」と妻に話した。
末期の癌と宣告した医師は、彼を診察して、「それほど持たない」と言った。
当然の如く彼は、考えた。今の私を逃れるすべを。
そして至った。

もし…………たら。

もし自分が……あの若々しい時代に戻れたら、……でも、その時は、今の私ではない。
癌に犯される少し以前に戻ることができたら……それも、今の私ではない。
何かよい薬ができたら、新しい治療法が発見されたら……それも、今の私ではない。

それは、今の私が突き付けられた問いであると。
そして、彼が変わり始めた。

彼は言った。
「私の意識と癌との関係の狭間ばかりが見えて、今の私を見るのが恐かった」と。
すると、私が消えて、妻が愛おしく、愛おしく、今は感謝に絶えないと。

志の輔恐るべし
明治小学校では28日から30日で学校公開が行われていました。大変にぎわっていたことと思います。

平成24年6月30日は、全クラスで道徳の授業の公開が行われ、6年生・5年生・3年生と授業の様子を覗くというのが正直なところでした。

子ども達の机にある用紙を覗き、黒板にかかれてある意見を興味を持って読み、先生や子ども達の声を聞きました。

意見があるときはにぎやかに、先生の発する言葉には、シーンとなって聞きと、活発に言葉が行き交うクラスの様子は、いつ見ても楽しいものです。

不思議に、にぎやかな時も、先生はよく子ども達の様子を見ながら、発言する子供の声を聞き分けられるものだと感じ入り、まるで雑踏の中から言葉を聞き取る特殊能力が育ったような、変なところに感心するのです。

そして、午後2時半過ぎ、教育委員会委員の宇佐美衛氏による講演がありました。

内容は「親子関係のき”ず”きかた」でした。衛氏は元PTA会長でもあり、大学は落研というキャリアです。

140周年祝う会の実行委員長でもあり、以前の会合で「落語をしますから」と聞いていたこともあり、これは、興味があり、彼を知る絶好の機会でもあると出かけたのでした。

講演は90分、前半は枕で、20分近くの内容、そして落語に入り、残りの40分近くは保護者や先生方、地域の関係者による大意見交換の場となって大いに盛り上がり、学校の催しとしては大成功だったことを思います。

みな熱心に、地域の学校を思う気持ちの大きさが現れでもあります。

さて落語です。

登場人物は、ご隠居さん、大工の親父、金坊、小学校の先生です。

金坊がテストで5点という点を取り、返されたテスト用紙を親父が持ってご隠居さんを訪ねたところから本題に入っていきます。

テストの問題は、
①草刈りで、A君は三分の一を刈り、B子さんが四分の一を刈りました。残りはどのくらいでしょうか?
金坊の答え:やってみなければわからない。

②81個のミカンを三等分するといくつでしょうか?
金坊の答え:ジューサーに入れてコップに三等分する。

③ネズミ・牛・犬・羊・ライオンがいます。一匹だけグループに属さない動物がいます。どれでしょうか?
金坊の答え:みんな仲良くしたい。

このテスト用紙を持って、ご隠居さんに掛け合った親父さん、ご隠居さんの会話に、金坊の理由を話します。

①A 君の性格、B子さんの性格を混ぜながら、土地の様子もあるのでしょうか、「だから、やってみなければわからない」と訴えます。
ご隠居さんは、妙に納得してしまいます。

②ミカンはそれぞれ、酸っぱさ、甘さ、大きさがあり、それを当分に分けることは出来ないので、ジュースにすれば皆平等に飲めますと答えました。
ご隠居さんは、「それはその通りだが、算数では……」と、しどろもどろになります。

③現実に動物たちが5頭いたとして、一匹だけ仲間に入れないのは、かわいそうだからと言いました。
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