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撃たないでくれ!
平成23年9月20日、遠いアフリカ大陸のリビアのカダフィ大佐が亡くなった。

「(私を)どうしたいんだ。撃たないでくれ、我が息子よ」
彼の最後の言葉なのか知らないが、彼は負傷して、反カダフィ派の兵士に拘束された。

そして、撃たれた。

リビアにとっては、42年間続いた続いたカダフィ政権最後の日だった。

彼には似合わない、何という平凡な言葉だろう。

まるでドラマのセリフのようだ。

でも、現実のギリギリのところから出てきた言葉だ。平凡な……

弱さを限りなく表現した、それこそ、普通の人間である私という命を慈しむ言葉だ。

彼は、この言葉を幾度となく聞いていたはずだ。その時、彼は強さを持っていた。その強さは、他人の命なんてものは思い描くこともなかったのだろう。

彼には、その命が自分の命と同じものとして届いていなかった。

それは、自分の中の死を、認めていなかったことか。

だから独裁体制なのだろう。

ヒトラーにしても、フセインにしても……それとも……

繰り返し繰り返し、歴史から、何も学ぶことはないのか?

人は百年生きることは稀なことです。「百年生きて、80年生きてきて、今まででこんなこと初めてのことです」と、今年はよく聞いたような気がする。

人は同じように生きる。

それと同時に、同じように死んで行くという言葉も当てはまる。

カダフィ大佐にも、子供や妻、親戚もいた。

こんな一族を巻き込んだ結末を、渦中の誰が具体的に想像することができただだろうか。

今度こそ、リビアに暮らす民が平安を迎えることが出来るように、遠い国から祈る。

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