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終の棲家は決まったが、いつなのかは決まっていない。



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夕日
訃報は、本当に突然にやってくる。

言葉少ない人だった。
お盆のお参りに行くと、彼女は介護用ベッドの上に……
息子さんが介護をする。

仏壇に向かうと、彼女は起きようともがく。

「そのままで、よいですから」と私。

「母は、正座は苦にしませんから」と弟。

そんな彼女が亡くなった。87歳だった。

お寺に来た兄弟二人は、インターネットで検索した、《旅ナビ柏崎の石地》の資料を持参した。

この漁村で生まれ育ち、ふる里を後にしたのだ。

「石地は、夕日が美しいのです」と、兄。

ふと、「日の出は?」と私。

「日本海に向かって家々があり、背に山々を背負っているから……」と。

「そうか、ここは中越地震の震源の近くだ」と思い出した。

あれから4年が過ぎ去っている。柏崎の様子も、見事によみがえったような。
心の傷は見えないが、景色は大きく変わった。

「そうだ、東の本大震災に襲われた地域は、朝日が美しい。
瓦礫におおわれた街にも、朝日が美しかった。
今も、悲しみや不安におおわれている。

人って、生き続けることが、鎮魂の祈りであることを考える。
その生き続ける意味は、まるでマラソンのリレーのようにだ。

忘れない……

残された者が、それぞれに生き続けることで、亡くなったものの魂は生き続けるような。
忘れない……

人が住み続け、生き続けることで、必ず街は生き返るのだ。
忘れない……

過去、日本の多くの町や村が震災にみまわれたではないか……
忘れない……

夕日を……
朝日を……

忘れない……
貴女を……

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