志の輔恐るべし

2012/07/01 10:53
明治小学校では28日から30日で学校公開が行われていました。大変にぎわっていたことと思います。

平成24年6月30日は、全クラスで道徳の授業の公開が行われ、6年生・5年生・3年生と授業の様子を覗くというのが正直なところでした。

子ども達の机にある用紙を覗き、黒板にかかれてある意見を興味を持って読み、先生や子ども達の声を聞きました。

意見があるときはにぎやかに、先生の発する言葉には、シーンとなって聞きと、活発に言葉が行き交うクラスの様子は、いつ見ても楽しいものです。

不思議に、にぎやかな時も、先生はよく子ども達の様子を見ながら、発言する子供の声を聞き分けられるものだと感じ入り、まるで雑踏の中から言葉を聞き取る特殊能力が育ったような、変なところに感心するのです。

そして、午後2時半過ぎ、教育委員会委員の宇佐美衛氏による講演がありました。

内容は「親子関係のき”ず”きかた」でした。衛氏は元PTA会長でもあり、大学は落研というキャリアです。

140周年祝う会の実行委員長でもあり、以前の会合で「落語をしますから」と聞いていたこともあり、これは、興味があり、彼を知る絶好の機会でもあると出かけたのでした。

講演は90分、前半は枕で、20分近くの内容、そして落語に入り、残りの40分近くは保護者や先生方、地域の関係者による大意見交換の場となって大いに盛り上がり、学校の催しとしては大成功だったことを思います。

みな熱心に、地域の学校を思う気持ちの大きさが現れでもあります。

さて落語です。

登場人物は、ご隠居さん、大工の親父、金坊、小学校の先生です。

金坊がテストで5点という点を取り、返されたテスト用紙を親父が持ってご隠居さんを訪ねたところから本題に入っていきます。

テストの問題は、
①草刈りで、A君は三分の一を刈り、B子さんが四分の一を刈りました。残りはどのくらいでしょうか?
金坊の答え:やってみなければわからない。

②81個のミカンを三等分するといくつでしょうか?
金坊の答え:ジューサーに入れてコップに三等分する。

③ネズミ・牛・犬・羊・ライオンがいます。一匹だけグループに属さない動物がいます。どれでしょうか?
金坊の答え:みんな仲良くしたい。

このテスト用紙を持って、ご隠居さんに掛け合った親父さん、ご隠居さんの会話に、金坊の理由を話します。

①A 君の性格、B子さんの性格を混ぜながら、土地の様子もあるのでしょうか、「だから、やってみなければわからない」と訴えます。
ご隠居さんは、妙に納得してしまいます。

②ミカンはそれぞれ、酸っぱさ、甘さ、大きさがあり、それを当分に分けることは出来ないので、ジュースにすれば皆平等に飲めますと答えました。
ご隠居さんは、「それはその通りだが、算数では……」と、しどろもどろになります。

③現実に動物たちが5頭いたとして、一匹だけ仲間に入れないのは、かわいそうだからと言いました。
ご隠居さんは、干支(えと)に入らないライオンなのだが、金坊の答えに絶句です。

親父さんは、金坊の答えに「どこが、違っているのか、100点ではないのか」とご隠居さんに迫ります。

そして、その5点という数字を何とかして欲しいと、先生に訴えました。

先生を訪ねて、何で5点なのか?に先生の答えは、名前がしっかりと書けたことに5点を付けたことでした。

親父さんは、金坊の答えに同調し、先生も内心では同調しながら「もっと大きな字で名前を書けば10点あげられたのに」と……

そしてクライマックスは、先生が親父さんに、「私も金坊のお宅に暮らして見たい」?だったか、先生の度量の大きさが全体を含んで落ちとなってたようなお話しでした。

題名の「親子関係のき”ず”きかた」の、”ず”は、気づきと築くをかけた落語に、しみいり、笑い、話術の巧みさに魅入られた午後のひとときでした。

この落語は、立川志の輔の原作であると、宇佐美氏は語っていましたが、この話を聞いての感想に多くの人が感じ入っていました。
たとえ志の輔師匠の原作であったとしても、教育の現場に、この話を持って訴える宇佐美さんの鋭さ、志の輔師匠のもう恐ろしさとして見えてきます。
2人ともすばらしい。

分析はつまらないと思いながら、やはり少し整理してみたいと思うのは、私の性格です。

テストの0点なのに、100点であり、100点の内容に5点の点数に、テストって何?
本来のテストのあり方は、テストによって人格を向上させることにおいてある筈だと、きっと先生もそれを感じたから落ちなのだろうと……

そしてテストを作った教育という場にいる先生も、親として暮らす暮らす親父さんも、ご隠居さんも、金坊の答えに、先生も親父もご隠居も学ぶ姿。

気づくことは、素直に人格が築かれることであり、そこに道徳があるのだと思ったのですが。



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