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終の棲家は決まったが、いつなのかは決まっていない。



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小さい秋
「お早うございます」と、道路を掃いていると、知らない人から声を掛けられる。
「ほんの少しですが、過ごしやすくなりましたね」と、こちらから声を掛ける。

「日中は、今日も暑くなりそうですが、これは”小さい秋ですかね”と。

詩人のサトウハチロー氏は、原稿用紙を前にして、布団の上に腹ばいになり、詩を書こうと模索していたのだろう。
ふと、外を見たら、赤くなったハゼに秋を感じて、この詩を書いたという。

小さい秋 小さい秋」と、自分を呼んでいるかのようなモズの声。目隠しをして遊ぶ姿が浮かんだ。

次に見つけた小さい秋は、曇りガラスの戸の隙間から秋の風の気配だった。それは北風による秋の気配だ。

次に見つけた小さい秋は、思い出なのか、そいうえば、 子どもの頃に見た 風見の鳥のその鶏冠(トサカ)は、庭先で秋の訪れを告げるハゼの葉のようだ。そのハゼは 入り日を浴びて秋の気配を一層増している。

この季節の変わり目は、誰の姿にも訪れている。面白いのは「誰かさんが、誰かさんが見つけた」と。

夏が暑くなった。まるで季節の変化がゴチャゴチャになっているかのようだ。それでも、四季がある。

四季があるから、変わり目がある。都会にもだ。

とぼとぼと横断歩道を去って行くお婆さんの姿に、早朝の過ごしやすさが、秋からの大きなプレゼントだ。


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