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終の棲家は決まったが、いつなのかは決まっていない。



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蝉時雨
お年寄りと話していた。

「今年は蝉の声を聞かなかった」と。

ところが今年も、庭には大きな穴が幾つかポッカリと開いていた。

確かに、ここ数年、いやもっとか、ここ深川でも蝉声は少なくなっているとは思う。

しかし聞こえないことはないと、確かに何度も聞いたからだし、抜け穴も見たし、ひからびて地面に散った蝉も見た。

緑の多い公園などに行かない私だが、少なくなった思うけれど、蝉の声は今年も何度も聞いた。


年を取れば取るほど、耳は聞こえなくなるものと、多くのお年寄りと接して、ふと思うときがあります。

普通に話しかけているのだが、「耳が遠くなって」と言われると、自然と選ぶ言葉数が少なくなるのだ。

「蝉の声が聞こえない」と、確かフォスターの『老年について』という文章に書いてあった記憶がある。
「蝉はみんなどこかに飛んでいってしまった」と。

多分、「蝉の声が聞こえなくなる」と、「社会に流れる言葉も聞こえない」に通じるような気もする。

聞こえなくなれば、無心となればよいのだろうが、心はざわめいている。

心の中の蝉時雨は鳴くが、だからといって、他人から見ているとそうは見えない。

威厳を保ち、寛容さがあふれて、じっと見つめる姿が印象的です。

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