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お寺では、春と秋の中日には、ごご2時から彼岸法要を、誰でも参加できるようにと、お布施と関係なく営んでいます。

彼岸は、春秋、昼の時間と夜の時間が等分になる、それを春分の日、秋分の日と呼びます。そして、秋分の日、春分の日の前後3日が、お彼岸と呼んでいます。これを名づけて季節の行事週間としているのは日本だけです。

この期間、さまざまな人たちがお墓参りへと、お寺に寄っていきます。そこではさまざまなお話しが交差します。孫の姿を見せる人。子供たちと来る人、お年寄りが家々の亡くなった人たちへ忍ぶ対象に対して、しるしを置いていくというのか、お線香にシキミ、お花を添えて墓地は、花畑です。

陽岳寺では、昨年、合同のお墓を造りました。それは一人という人たちが増えて、あるいは継承するお墓はいらないと考える人たちのために、新規に造ったものです。不思議なことに、ここにも、子供たち孫たちが、お線香をあげ、花を捧げて墓参します。生きている人が、このお墓に眠っているように墓参するのです。そして家族や親族、知人は、この眠っている人に語りかけ、言葉を引き出しています。

今朝も、お年寄りの男性が一人墓参しました。「よくお参り下さいまして、有り難うございます」と添えます。するとお年よりは、「妻の名前で、お塔婆をお願いします」と依頼されました。

この方は、今年納骨された親戚のお墓にお参りしている方です。お正月やお彼岸に家族と墓参していました。今日は、一人でしたので、「今日は、お一人なのですね」と語ると、「今年は私もガンで入院し、妻も、転んで足を折り、私も歩みがおぼつかないのです」と、絞り出すように話しました。

「葬儀にも参列できなくて、情けない」と語った姿に、元気な老いの姿は、時に、一気に老いのページを進めて、お年寄りの寂しさが伝わっきます。「あんなに勢いがあった老いだったのに」と、これを落差というのでしょうか。

でも、奥さんの名前で塔婆をあげるという行為も妻の気持ちを汲んで、優しさが、お年寄りの目に輝き、線香の煙も助けて「情けなくて、涙がでてしまう」と、言葉を残して墓参に行きました。
2017.09.19 Tue l うつつ l top