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贈り物

(タゴール詩集2より)

プジャの祭りがやってきた。納戸には、いろいろな品物があふれていた。数えきれないほどのベナロシ織、数えきれないほどの金の装身具、それから、練乳やドイのいっぱい入った壺に、こぼれんばかりの菓子皿など…………

母は、贈り物の発送に忙しい。

長男は遠くの王国の役所勤めをしていた。次男は商人で、ほとんど家にいることはない。他のなん人かの息子たちは、兄弟どうしで揉め事を起こして、それぞれ別々の世帯をもっていた。それから親戚も、あちこちにちらばっている。

まだ乳離れしない末っ子が、表の戸口に立って、終日、眺めている。

下男や下女たちが列をなして、真鍮皿にのせた贈り物にいろんな色の布をかけ、重そうに運んで行く姿を。

日は暮れた。贈り物は、すっかり運び出された。一日最後の捧げ物である金色の供物をたずさえて、夕日の最後のかがやきが、星空の道へと消えていった。

子供は、家に入って、母にたずねた。「母さん、母さんはみんなに贈り物をあげたのに、ぼくにだけはくれなかったね。」

母は微笑んで言った「なにもかも、みなさんにあげてしまったわ。さ、坊やには、何が残っているかな、見てごらん。」

こう言いながら、母は子供の額にキスをした。

子供は、いまにも泣き出しそうな声で答えた「ぼくは、贈り物ももらえないの?」

「坊やも大きくなって、遠くへ行ったら、贈り物がもらえるわよ。」

「それじゃあ、母さんの手で作った贈り物はもらえないんだね?」

母は、両手をひろげ、子供を膝に抱きあげて言った。「おまえが、私の手で作った贈り物ですよ。」

これを書いているのは、平成20年11月9日夕刻です。

今、各地でクリマスツリーの点灯の知らせが届く。子供の頃から思うと、長くなったような気がする。

幼かった頃、「もうじきクリスマス」と、街角のケーキ屋さんには、デコレーションケーキが積まれ、おもちゃ屋さんのショーウィンドウには、白いスプレーで線がかかれ、緑と赤に飾られる。

今、考えてみればこのこと自体がプレゼントなはずだったと、この物語によって気づかされる。

子供心には、25日の朝の贈り物が気になり、心がはやし立てる。そして、次にはお正月で、お年玉がもらえるし、学校は休み、一年中で一番ご馳走が食べられる時期だった。

お母さんからの贈り物は、すべての人に通じる。

それに対して、禅宗の祖師たちはきっと、こう言う。「そうだとしたら、おまえは、その大事な贈り物を、ずっと持ち続けていろと!」



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