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終の棲家は決まったが、いつなのかは決まっていない。



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電話

息子が僧堂に行ってから、1年と2ヶ月が過ぎた。その息子から電話があった。4・9日で外出を許されたらしい。

公衆電話からの声に、街角のざわめきがある。

「元気かい」「元気にしている」「何か欲しいものは?送って欲しいものはあるかい?」「今はない!」

僧堂に入門していると、やはり、家族の声を聞きたい。聞くだけで安らぐのだろう。本当は逢えばよいのだが、そうもいかない。

「老師が齋會(さいえ)に出かけるときは、お供に○○さんが多い。大事にされている」と聞いた。

その○○さんは、本山のそばの大きな寺の跡取りだ。

大きな寺の跡取りともなれば、僧堂を出て、副住職としても、住職としても、それなりの見識や押し出し、黙っても風格を持たなければならないのだろう。 まして道場のすぐ近くではなおさらだ。玉を磨かなければならないと想像がつくが、3年や5年でそれを身につけるには大変だと思う。でも基礎だけは植えておかなければならないのでしょう。老師も大変だ。

私が息子に、僧堂生活で望むものは、分け隔てない心。決めつけない心。他者をいたわる心。自らを律する心。自分を見つめる心。禅を習う心。想像の豊かさときりがない。

すべて私に欠けているものだから。



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